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  • 2014.03.25 Tuesday
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音楽評:相対性理論〜稀有で甘い「大いなる逃避」〜

どの稼業(シノギ)でもつまらない飲み会なんてものはやはり存在する。


毒にも薬にもならないな話題の順列組み合わせ的な提供やら、
果てしないリスク充満の空気の読み合いやら、
欠伸をかみ殺しながら打つ相槌やら、
空いたグラスを気にしては条件反射的に注いで回る属性と化した習慣やらには
いつまでたってもあまり慣れない。
飲み会がハネた後に、大して仲良くなれそうにもない相手と
取り残される駅のホームの気まずさは、
酔いが冷めた後にはまた格別の煩雑さだ。

やっと地元の駅に着く。
もう日付が変わって、一時間も経っているが、
うだるような暑さは、しぶとくカラダを茹でる。
会員証もないレンタルCDショップにフラフラと入る。
以前から気になっていたバンドのCDが
まとめてレンタル可能だった。
自分の住所の記入もままならない酔った頭で、
入会申込書を埋めて、そのCDを借りる。
キャンペーン中につき、7泊八日・CDアルバム5枚で料金は800円。
悪くない。まだツキは残ってるみたいだ。


「相対性理論」
なんとも不思議な響きを持つユニット名だ。
きっかけは、割と気に入ってる漫画家・中村光の作品、
「荒川アンダー ザ ブリッジ」がアニメ化された際のOPが、
「相対性理論」のヴォーカル、やくしまるえつこが歌っていて、
その独特な声が妙に耳に残ってたからだ。

荒川アンダー ザ ブリッジ OP




媚びているのかいないのか、メロディに乗せる気があるのかないのか、
判然としない歌声。
好きなライターが一堂に会して上梓した、


ゼロ年代の音楽---壊れた十年


にも「相対性理論」が取り上げれていたのも、
疲労しているはずの頭にも記憶が残っていたせいもある。
帰宅して、借りたCDをPCに取り込む前に、
睡魔が凶暴に襲い、ギブアップ。
土曜の昼下がりに、ようやく聴き出す。


シフォン主義

1.スマトラ警備隊
2.LOVEずっきゅん
3.夏の黄金比
4.おはようオーパーツ
5.元素紀行


ハイファイ新書

1.テレ東
2.地獄先生
3.ふしぎデカルト
4.四角革命
5.品川ナンバー
6.学級崩壊
7.さわやか会社員
8.ルネサンス
9.バーモント・キッス



シンクロニシティーン

1.シンデレラ
2.ミス・パラレルワールド
3.人工衛星
4.チャイナアドバイス
5.(恋は)百年戦争
6.ペペロンチーノ・キャンディ
7.マイハートハードピンチ
8.三千万年
9.気になるあの娘
10.小学館
11.ムーンライト銀河



アワー ミュージック

1.スカイライダーズ
2.アワーミュージック
3.BLUE
4.sky riders (vo+pf)
5.our music (vo+pf)
6.BLUE strings edit feat. Hildur Guonadottir
7.our music remodel light remixed by alva noto




JUGEMテーマ:音楽


呆れた事に、正規作品はほぼ全て借りてきやがってた。
ハマったばっかの高校生かよ。
久々にリアルタイムの音楽を耽溺する。
諸事情あって、「ゼロ年代」の新譜に心躍るきっかけも
余裕もなかったので、新鮮な体験だった。


「セカイ系」なる、扱いに困るジャンルがある。
まあ、我が思い出の最大のトラウマアニメ、
「新世紀エヴァンゲリオン」以降に生まれたコトバだったはずだ。


「主人公(ぼく)とヒロイン(きみ)を中心とした小さな関係性
(「きみとぼく」)の問題が、具体的な中間項を挟むことなく、
"世界の危機" "この世の終わり"などといった抽象的な大問題に直結する作品群のこと」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E7%B3%BB#cite_note-8


既存の価値観やらルールは、何の断りもなく高笑いとともに片っ端からぶっ壊され、
異議を唱えたら、「グローバル化」、「新自由主義」、「自己責任」という
万能の呪文で命の保障まで危うくなるまで、追い詰められるか、
上昇志向という強迫観念で倒れるまで経済効率追求ゲームに付き合わされた
90年代後半からゼロ年代。
僕と僕の周囲の一部が、かなりのっぴきならない所まで
致命的な消耗を強いられた、いまや力なく笑うしか内的消化が不可能な、
カラフルでテリブルな、おぞましいパワーゲーム。
主犯達は、とっくに売り逃げに成功し、
今頃はロハスとでもほざいてるんだろう。
KLFじゃないが、我々は荒涼として傷つき、無愛想で華々しく、
クソではあったが光り輝く小道を・・・などと呟きたくもなる。
そりゃ、小さな関係性のみを信じて大きな「物語」とのアタッチメントを遮断するか、
はなからハンデを抱えた、糞のようにフェアなパワーゲームのゾンビと化すか、
自分と他人の命に頓着せず暴発するか・・・。
何はともあれ、何も感じない方が楽なシチュエーションは未だ継続中のようだ。


何せ「セカイ系」とやらは、場合によっては村上春樹まで
カウントされるという曖昧なジャンルだ。
ナイーヴ過ぎるかも知れないが、個人的には愛着と疎ましさで
複雑な感慨を抱かざるを得ない。

『ポストYouTube時代のポップ・マエストロ』、
『全天候型ポップ・ユニット』と名乗る
音楽ユニット「相対性理論」は「セカイ系」なのか。
とても微妙だ。
やくしまるえつこのヴォーカルは、とてもスイートだが、
「小さな関係性」に自己閉塞しているというには、
不穏でアナーキーな顔をたまにチラリと覗かせては、
その次の瞬間にはまたフラットな癖に妙に強固な、
その辺の雑踏ですれ違っていそうな、
どこかブッ飛んだオンナノコ的感受性を、
なぞるように繰り返し、歌う。
オタクの妄想ダッチワイフになるには、物騒すぎる。
あなたのオフィスや学校にもいないだろうか?
ガーリーで、別に他人を拒絶している訳でもないが、
妙に浮世離れしていて、何を考えているかさっぱり窺えないが、
最終的は、「世の中なんてどうでもいい」と躊躇なく切り捨てる
甘美なニヒリズムをココロの中で飼いならしていそうな
そんな女性が。
最初から、「抽象的な大問題」なんて
相手にしてないような、潔いアティチュード。
僕自身がそこまで割り切れず、
セカイやら「大きな物語」やらと完全に決別できないだけに、
そのコトバとオンガクは余計に、耽溺を誘う。
フィッシュマンズに出会ってしまって以来、
オンガクの嗜好は大きく変わってしまったことに、今更ながら気が付く。
自分でも御し難い。

音は目新しくはないが、魅惑的なギターポップ。
心地よければ僕は何だっていい。
斬新なスタイルへの飽くなき追求の末に、
「実験的」というエクスキューズ無しでは
聴ける代物じゃなくなった音源よりはよっぽどいい。
そして、その歌詞の世界観。
甘美でユーモラスな確信犯的逃避は圧巻だ。
日常と妄想のタイトロープを何の気負いも無く、
さらっと歌う、そのカッコよさ。


25世紀に生まれたあなたは
時空警察に追われてしまった
22世紀に生まれたわたしは
テレビを見ながらコーラを飲んでた

22世紀の夢見るわたしは
授業をさぼって街へとくり出す
25世紀を逃れたあなたの
携帯番号 こっそり教えて

四角カクカク革命前夜の
長いあいあい間のロマンス
近いカイカイ開戦前夜に
やってくるくる車の行列
兎角カクカク革命前夜は
街のにぎわい恋のロマネスク
奇怪カイカイ開戦前夜に
迫りくるくる狂った結末

25世紀を夢見るわたしは
宇宙開発を横目で見ながら
22世紀へ逃れたあなたに
時空警察はとっても厳しい

四角カクカク革命前夜の
長いあいあい間のロマンス
近いカイカイ開戦前夜に
やってくるくる車の行列
兎角カクカク革命前夜は
街のにぎわい恋のロマネスク
奇怪カイカイ開戦前夜に
迫りくるくる狂った結末

きっと ああ 未来がやばいの
きっともう 宿題出せない

四角カクカク革命前夜の
長いあいあい間のロマンス
近いカイカイ開戦前夜に
やってくるくる車の行列
兎角カクカク革命前夜は
街のにぎわい恋のロマネスク
奇怪カイカイ開戦前夜に
迫りくるくる狂った結末


 「四角革命」/ From album:「ハイファイ新書」



「迫りくるくる狂った結末」に「未来がやばい」と感じているのに
「きっともう宿題出せない」なんて。
繰言のような、ファニーで夢見がちな空想のままに、
独特のメロディにたどたどしく乗せていく歌詞に
たまに埋め込まれる、ドキリとするようなフレーズ。


三千万年前から 恋してるの
学芸大学前から 電車に乗って
もうすぐ連休今夜は 用意してるの
飯盒炊爨キットを リュックサックに詰めて

東急沿線ライトが 夜を照らすの
新人研修ばっかの 季節を越えて
湾岸戦争今度で 何回目なの?
北口改札前から 愛を込めて

ほこりっぽい雨が 窓にあたるの
世界がみんな モノトーンに見える
新幹線の中で 君の夢見たんだ
心配ないけど 心配ないけど

三千万年前から 恋してるの
通勤快速ばっかの 電車に乗って
もうすぐ連休今夜は 用意してるの
三千万円ちょっとを リュックサックに詰めて

飛行機雲が 絵に描いたみたいで
誰かがそれを カラーコードにしたの
新幹線の中で 君の夢見たんだ
心配ないけど 心配ないけど

 「三千万年」/ From album:「シンクロニシティーン」




わたしもうやめた 世界征服やめた
今日のごはん 考えるのでせいいっぱい
もうやめた 二重生活やめた
今日からは そうじ 洗濯 目一杯


冬の香りの雑木林を抜けて
淹れたて 熱い紅茶をもう一杯
もうだめだ その日暮らしはいやだ
ラブレター 渡せないのも今日いっぱい

恋の微熱 37度5分
平熱 36度2分


わたしもうやめた 破壊工作やめた
妙な予感 振り払うのでせいいっぱい
もうやめた むだな抵抗やめた
gone…甘く危険な日々にsay good bye

恋の微熱 37度5分
平熱 36度2分
恋の微熱 37度5分
高熱 38度2分


とろけるキッスは誰のため
おざなりキッスは誰にする
恥じらいキッスは彼のため
はちみつキッスはどんな味?

わたしもうやめた 世界征服やめた
もうやめた 世界征服やめた
もうやめた 世界征服やめた
もうやめた 世界征服やめた

とろけるキッスは誰のため
おざなりキッスは誰にする
恥じらいキッスは彼のため
はちみつキッスはどんな味?

とろけるキッスは誰のため
おざなりキッスは誰にする
恥じらいキッスは彼のため
はちみつキッスはどんな味?

とろけるキッスは誰のため
おざなりキッスは誰にする
恥じらいキッスは彼のため
はちみつキッスを神様に

 「バーモント・キッス」/ From album:「ハイファイ新書」



「わたしもうやめた 世界征服やめた 今日のごはん 考えるのでせいいっぱい」。
こんな切実な開き直りはそうそう聴けるものじゃない。
なんだかスカッとする。


今日から三週間 目覚めちゃダメだよBABY
外は大洪水 起きるとあぶないBABY

地球がなくなった 朝 飛び起きたら
銀河を漂う わたしの家 OH OH なぜなの

地球がなくなってしまった 気がついたら
銀河のどこかへ消えてしまった OH OH どうしよう
きままな暮らしも もう できないのね
ドキドキしたり 楽しんだりしたいのに

難しいことは わからないけど
ひきつる顔であなたは言った 最後の夜に

今日から三週間 目覚めちゃダメだよBABY
外は大洪水 起きるとあぶないBABY
今日から三週間 目覚めちゃだめだよBABY
外は大混乱 寝てなきゃいけないBABY

地球がなくなって三日 退屈だよ
わたしの救助信号 とどいてるの? OH OH 答えて

気がかりなのは 大好きだった
少年マンガ読めないこと どうしたらいいの?

ひいきは小学館 スピリッツ読ませてBABY
MONSTERの最終巻 謎解きまかせてBABY

(あなたは言った)

今日から三週間 目覚めちゃダメだよBABY
外は大洪水 起きるとあぶないBABY
今日から三週間 目覚めちゃダメだよBABY
外は大混乱 寝てなきゃいけないBABY

 「小学館」/ From album:「シンクロニシティーン」



まるで結局、セカイが滅びようと戦争が起きようと、
それにアタッチメントを持とうとした瞬間、苦痛を伴うのなら、
適度な距離を保ちつつも、妄想にも似た甘い耽溺を
最後まで手放さない方が勝ちとでもいいたげな・・・。

最後に、「相対性理論 + 渋谷慶一郎」なる
セッションから生まれた、胸を刺す名曲を挙げたい。
「相対性理論」のカラフルなギターポップから一転した、
静謐で切実な楽曲。


ダーリン 気付いて 未来のまばたき
みっつ 数えたら 世界は消えてた
ロマン街道歩く 日曜の午後三時
長袖をほどくように 記憶だけ見つけたい

揺れるダイニング 気付くモーニング 熱いシャワー浴びてたい
爪先を隠すように 君だけを夢みたい
鳴りやまないアラート ごっこ遊びはもう終わり
手袋を投げつける 毎日にさよなら

ほら 見て
闇夜が迫る気配を消す魔物がふるえてまんまるボタンを盗むの

ダーリン 気付いて 未来のほころび
そっと 紡いで 金糸のエチュード
ロマン街道横目でチラリ 月曜の午前二時
三つ編みがはずむほど 千のルート探してる

揺れるカーテン 落ちるポンム 熱いコーヒー飲んでたい
耳たぶがとろけるように 君のこと愛してる
鳴り続ける留守電 おやすみはもう終わり
眠い目をこするから あと五分だけ待ってて

秘密をあげよう

 「アワーミュージック」/ From album:「アワーミュージック」



そうだ。みっつ数えるまでもなく、
実はとっくに世界は消えているのかも知れない。
ただ、気がついていなっただけで。
誰が何と言おうと、僕はこのオトに浸ろう。
がちゃがちゃと騒がしく、疲労困憊するネタだけには事欠かない、
引きずり回された日常の、エアポケットみたいな週末には、
せめてこれぐらいの逃避が無ければ、やってられない。
このクソ暑い中、疲れた体を引きずって、大して大事でも好きでもない相手と
無理やり外出して、金を払ってまで神経をささくれさせたい奴はお好きにどうぞ。
いつまでも消費と娯楽を混同したまま、他人のマーケティングにハマッて
空騒ぎを気が済むまで繰り返せばいい。
僕は部屋で本でも読みながら、音楽を聴いてるよ。






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