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  • 2014.03.25 Tuesday
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(Perhaps We Are) Final Vinyl Junkees 〜マイルス・デイヴィス「On The Corner」(1972 オリジナル国内盤)を巡って〜

帰り道に、アンティークの家具屋さんへ寄る。


近所の商店街の外れ。
いつの間にか開店していた、川上弘美の作品にでも出てきそうな感じの、
そのお店の品揃えはとても落ち着く。
(お値段はときたま落ち着かないものもある。)
特に何かを買うあてもないのだが、近くまで寄ると、
ふらふらと店の奥に吸い込まれてしまう。

店先

浮世離れした雰囲気を漂わす、優しげな店主らしき人と、
この下町の商店街にこんな人種が居るのかと思わしめる、
美大にでも通っていそうな、お洒落の上手な、そしてこれまた優しげな若いお客さんの、
物静かで緩やかでささやかな小世界。
この商店街に生息する草食系男子の、アジトめいた場所だ。
断食系男子の僕にとっても、割と好きな場所になっている。

店の床にアナログレコードが、陳列というにはあまりにひっそりと、
何枚か置いてあった。
本当に久々にアナログレコードを手にした。
ジャズ・トランペットの巨匠、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の、
異色作「On The Corner」があった。

miles_ONTHECORNER_jacket.jpg

僕はジャズにさっぱり詳しくない。
バーで飲んでいる時には、とてもフィットする音楽だとは思うが、
求められる予備知識やウンチクも、他とは一線を画する、
敷居の高いジャンルな気がする。
しかし手にしたアナログである、「On The Corner」は、
そのジャズに似つかわしくないポップなジャケットと、
テクノミュージックが盛り上がった頃に、何故か再評価されていたのを
良く覚えていた。
書くのも憚れる、随分な捨て値だったので、思わず買ってしまった。

最後にアナログを買ったのは、一体いつだろう。
THA BLUE HERB の 「LIFE STORY」以来、
買っていないとしたら、それは2007年の6月だ。
この孤高のユニットは、あいも変わらずアナログのリリースを一度見逃せば
恐らく再プレスすることはないはずなのを知っていたので、
僕は渋谷中のレコ屋を足を棒にして歩き回り、諦めかけた頃、
何故か、CISCO TECHNO店で見つけ、まるで電流にはじかれたようにレジに走った覚えがある。
シスコテクノ店は、その半年後に未だに色あせない思い出とともに消えやがった。
既にクローズしてもぬけの殻だった店の前で、呆然としたのを良く覚えている。


シスコテクノ最後の日 2



UR の「Hi-Tech Jazz」がラストスピンか。
この場に居たら泣いてしまっていただろう。

別にクローズしたのはテクノ店のみではなく、
シスコレコードの全店舗は消え去った。
オンライン販売専門で営業を継続する予定だったと記憶しているが、
2008年10月31日に廃業。
サイト(http://www.cisco-records.co.jp/)にアクセスすると
何ともいえない寂しさに襲われる。
大体、アナログレコードがプレスされること自体、もはや稀なのだ。
国内の生産に限って言えば、10年前は191万4000枚だった生産数は、
2009年に至っては、10万2000枚。
商売としてのアナログレコードは終わったのだ。

そして時代は変わった。
僕もCDはすぐに i-tune に取り込んで、PCで聴いている。
単行本程度の大きさの外付けのHDDに、一体、何万曲収まっていることだろう。
それでも僕は未だに、DJミキサーとターンテーブルを
捨てることはできない。
単なるノスタルジーかも知れないが、ただひとつ確かなことは、
商売としてのアナログレコード、媒体としてのアナログレコードは、
終わっても、その曰く言いがたい「質感」を未だに僕は愛している。

miles_ONTHECORNER_record label.jpg

(場所は取るけど)ジャケットを愛でるのに最もフィットした大きさだし、
ヴァイナルが持つ、あのケミカルな香りを吸うと、本当に胸が静かに高まる。
そして、暖かく、茫洋として、タフな低音。
是非はともかく、テクノロジーも自分も大きく変化した約3年を経て、
僕は「On The Corner」で、再びその「質感」への愛情を思い出した。
この偏愛はいつまで持続するのか、心細いけれど。

経年劣化で色あせたライナーノーツを見て、思わずクスリと笑ってしまう。

miles_ONTHECORNER_inner.jpg

「録音は72年の6月と7月でとびきり新しい。」

再発じゃなくオリジナル盤だったのか。
1972年。僕はまだ存在すらしていなかった。
見知らぬタイムカプセルでも掘り出してしまったかのような感覚。
針を盤に落とす。
なんてファンキー。
デカいスピーカーで聴いてみたい。
できればいいDJのミックスで。
そして願わくば、アナログレコードで。



レコードの重たさやひと手間かけて音楽を聞くっていうのは手軽さや便利さにはかなわへんのか。
レコードが重いから移動大変やし、MP3でDJやってるっていうのは僕にとっては無いはなしで、それぞれいろんな事情があるとは思うけど、やっぱりそれは怠けてる。
これはMP3に対して悪いふうに思ってるとかやなくて、DJでしかもテクノなら、アナログを使ってDJするのは、ごく当たり前のことやし、テクノが大音量で音を楽しむ音楽でもある以上、レコードを使って表現するのはごく自然なことやし、MP3にはないレコードでしか出せない音っていうのが確実にあって、僕はそれが好きやし、今までどおりレコードで音楽を楽しみたいと思うから、レコードは使い続けると思うし、それでテクノの良さが伝わればと思うし。
しつこいようやけどMP3に対して悪く思ってるとか、レコードを過剰に崇拝してるとかそういうことやないねんな。僕もレコード重くて嫌になる時あるし、MP3で音楽聞くことあるし、どちらかを陥れたいとかそういうことやなくて、レコード屋がなくなることからだいぶ飛躍してるはなしなんやけど、金払ってパーティーに来てる人に少しでも音の良い状態で音楽を提供するってごく当たり前のことなんやないかなっていう。ラーメン屋行ってカップラーメン出て来たら嫌やなって。
手軽で、カップラーメンもうまいけど。


「FumiyaTanaka BLOG」
http://www.fumiyatanaka.com/blog/2007/11/cisco.htmlより



(参考)「大手レコードショップ「シスコレコード」が全店舗を閉店、クラブカルチャーに未来はあるのか?」
    「アナログレコード小売大手「倒産」 DJの「レコード離れ」が響く」
    「アナログディスク生産数量」



JUGEMテーマ:音楽




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