calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>

categories

archives

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2014.03.25 Tuesday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

映画評・「少年メリケンサック」〜おかしくてやがて哀しきパンクかな〜

宮藤官九郎監督・脚本。


やっぱり期待を裏切らない。クドカン節炸裂。
彼の率いるバンド、グループ魂の曲・「ロックの先輩」を
彷彿とさせる、妙にショボくて、ひたむきな笑いが随所にあった。
なんだろう。このちょっと切ない感じは。


〜ストーリー〜


mixi


レコード会社の新人発掘担当の契約社員、かんな(宮崎あおい)は、
偶然ネット上で、パンクバンド「少年メリケンサック」の動画を発見する。





ユースケとあおい


レコード会社社長(ユースケ・サンタマリア)は、「少年メリケンサック」に一目惚れ。
かくしてあおいはデビューのため、「少年メリケンサック」のメンバーに
コンタクトを取る。


おっさん浩市


しかしあのパンクロックバンドの映像は、なんと25年前のものだったのだ。
月日は残酷なもので、バンドの中心メンバー・ベース担当の秋夫(佐藤浩市)は
ただの飲んだくれのおっさんと化していた。


セッション1


なんとか他のメンバーを集め、スタジオでセッションするが、
ドラムのヤング(三宅弘城)は痔。
ギターの春夫(木村祐一)は、兄である秋夫と険悪なムード。


セッション2


極めつけのヴォーカル・ジミー(田口トモロヲ)は、
車椅子にろれつの回らない口調で登場。
歌う以前の問題だ。

荷台


かんなが社長にバンドの現状を話し出すきっかけを逃しているうちに
あれよあれよと、「少年メリケンサック」はネット上で大反響。
全国ライブツアーが次々と決まっていく。このまま出たら詐欺同様。
後には引けず、ライブツアーへ赴く一行。


 「25年前よりいいライブやりゃいいんだろ?」

 「嘘ってのはギリギリまで突き通さなきゃ駄目なんだよ。
 ネエちゃん。その嘘がばれる瞬間に俺らが最高のライブやれば
 その嘘は嘘じゃなくなる。奇跡だ。違うか?」


車内


そしてついにライブは始まる。


LIVE


何を歌ってるのかさっぱり分からないヴォーカル。
へったくそな演奏。
いくらパンクだからって限度ってものがある。


LIVEその2


もちろん、奇跡などという都合のいいものは
そんなに急に起きるはずもなく、ライブは散々の出来となる。
しかし全国ツアーの契約は存在する。
違約金を考えたら、途中でやめるわけにはいかない。


車内その2


再び続く珍道中。
カンナは嫌々、一行に付き合う。

あおい@バス


下品で自分勝手でオヤジで。
傍若無人などうしようもないメンバー達。
たまらず逃げ出すカンナ。
だが心の中で何かが引っかかる。
彼らの臭気プンプンで、カッコ悪いけど、ひたむきな何かに。


路上


しかし苦行のように恥をさらしていく
ツアーの過程で「パンク」本来の何かに火がつき、
ライブハウスを突然熱狂させる。
バンドの魔法が、遅まきながら降って来たのだ。


LIVEその3



「やればできるじゃん。」(カンナ)


LIVEその4


あおい中指


前途が開けてきたと思ったのも束の間、
そしてバンドは最大級の危機を迎える・・・・。


宮崎あおいの初コメディ映画。
喜怒哀楽丸出しで引っ張りまわされているのがとても可愛い。


あおい


かつての「少年メリケンサック」の仕掛け人という、
明らかに堅気じゃない男をピエール瀧が好演。


瀧


ラストをギャグと取るか、それとも「祭り」の終わりと取るかは、
観る人によって別れると思う。
本当に唐突な終わり。
観ようによっては、かなり切ない。


パンクか。
僕が音楽を聴き始めた頃には、
とっくにそれはファッションの一つと化していた。
新宿や下北沢の特定の時間帯や場所で、
レザーに鋲打ち、髪の毛をあらぬ色に
染めた怖いお兄さんを横目で
ちらりと目にすることができたぐらいだ。
セックスピストルズですら、
あらゆる種類の音楽を嫌でも詰め込まれた
90年代後半のちょっとひねくれた耳にとっては、
少しノイジーなロックに過ぎなかったのを覚えている。
初期衝動。メッセージ。ライフスタイルそのもの。反逆。反体制。
あれだけ計算とは縁遠いジャンルでありながら
そんなお約束な言葉で、がんじがらめになっているジャンルに思えた。
まるで音楽的成長それ自身が罪悪かのように、
頑なにパンクは閉鎖的な“形式”をなぞり続けた。
まるでそうすることによって、初期衝動や思いを
真空パックできると信じているかのように。
初期衝動や思いを、それが発生した時の新鮮さを
損なわないまま、何かを続けるということは本当に難しい。
それを至高のものとしたパンクですら、そうだったのだ。
(僕がドップリとハマっていたテクノだって、そうかも知れない)
「少年メリケンサック」のメンバーは、忘れていた初期衝動を
きっとほんのつかの間だが、再びそれを手にした。
セックスピストルズのジョン・ライドンは、
その後、PILというバンドで新しい領域に漕ぎ出している。
そのダブまで消化した前衛的なファーストアルバムは、
「パンク」という“形式”から鮮やかに抜け出していた。
それは裏切りではない。
熱情はいつか必ず醒める。
どんなジャンルでも。
多分、音楽に限らずどんなことでも。
熱情を失って、過去の余熱をはぐれた犬のように
空しく追い続けることも、それ以外の価値観を認めずに
刹那と心中することも(魅力的に思えるときもあるけれど)、
どうやら正しくも美しくもないことらしいことは
判ってきたような気がする。
多分、それが「大人になる」ということらしい。
初期衝動を、熱情を、思いを損なわれても、
破滅と惰性から1mmでも遠い方向へ歩き続けること。
つい数時間前に、また新しい年を迎えた。
それは今年の自分にできるだろうか。
そんなことを考えた。


という訳で、2010年。
年をまたいで、記事を書いたのは初めてかもしれない。
明けましておめでとうございます。
今年も皆様、当サイトと作者(3amop)を宜しくお願いいたします。


















JUGEMテーマ:映画




人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ 
↑記事がお気に召したら、クリックして頂けたら幸いです。






スポンサーサイト

  • 2014.03.25 Tuesday
  • -
  • 02:37
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
自分のブログにトラックバックをいただき、目を疑いました。
3amopさんのこのブログ、4年くらい前から大ファンでした。
「こんなブログをやれたらなぁ」と思いながら自分もブログを始めたのが2年前。
実生活でも3amopさんの後を追うように病気休職→退職を辿ったりもしていて。(笑)
それがまさか「少年メリケンサック」で自分のブログと結びついたなんて!!
正月の奇跡です。感激です。ありがとう。
>shira-kumo さん

明けましておめでとうございます。
当サイト作者の3amopと申します。

>3amopさんのこのブログ、4年くらい前から
>大ファンでした。

ありがとうございます。とても照れます。(笑)

>「こんなブログをやれたらなぁ」と思いながら自分も
>ブログを始めたのが2年前。
>それがまさか「少年メリケンサック」で
>自分のブログと結びついたなんて!!
>正月の奇跡です。感激です。ありがとう。

光栄です。
いやあ、ただただ恐縮です。
こちらも、自分のつたない文章を読んで下さっている方と
こうしてやり取りをさせて頂いているのが
とても嬉しく思います。
「正月の奇跡」は言いすぎですよ(笑)

shira-kumo さんのブログ、一部ですが
拝読いたしました。
興味深い内容が多く、今後も閲覧させて頂きたく思います。

勝手ながらshira-kumo さんのブログ、リンクに
加えさせていただきました。
相互リンクなどできたら幸いです。
今後とも当サイトを宜しくお願いいたします。
お互い実りある一年になることを祈っています。
ではでは。
いやあ、照れるなあ・・・。
  • 3amop@「明けましておめでとうございます」
  • 2010/01/02 8:27 PM
リンクしていただきありがとうございます。
こちらこそ恐縮です。是非リンクさせてください。

こんな事になるなんて、落ち込んで病んでいた4年前の自分に、この楽しい状況を教えてあげたい感じです。いや〜嬉しい。
これからも記事を楽しみにしています。
ではでは。
  • shira-kumo
  • 2010/01/03 1:36 AM
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いします。

ここ数年、ココだけで遣り取りしてるね…。
機会があったら会いましょう〜〜。


  • K瀬
  • 2010/01/04 2:49 PM
> K瀬

あけましておめでとうございます。
本年も宜しく。

>ここ数年、ココだけで遣り取りしてるね…。
>機会があったら会いましょう〜〜。

言われてみればそうだ(笑)
伝言板と化している。。
機会があれば是非。
  • 3amop@「確かに」
  • 2010/01/05 6:22 AM
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック
リアルPUNKシティー北九州からやっと帰り着く。本日は税務署で2時間近くお役所の方々と話し合いを行ったが、なんか敗北感いっぱいだな。向こうさんから名刺を出されたのに、税務署さんというだけで咄嗟に自分の名刺を出すのに躊躇してしまった。独立(といえば響はいい
  • 音楽生活 - music life -
  • 2010/01/02 2:56 AM
少年メリケンサック  白黒で目の粗いパンクバンドが演奏している動画。ボーカルが「ニューヨーク・マラソン」と連呼している。それを動画サイトで見つけたレコード会社の新人発
  • 大安亭記文:浮惑記 in 朝風呂
  • 2010/01/01 7:08 PM
パンクロック全盛の頃、僕は人生で一番音楽を聴く年代だった。タイミング的にはパンクのレコードを買ったり(まだCDはなかった)、コンサートに行ったりしていても何ら不思議ではないのだが、ハッキリ言って「嫌い」だったので、ほとんどその洗礼は受けていない。「ステ
  • 古今東西座
  • 2010/01/01 9:22 AM
やばい、大好きだ。「流星の絆」がおもしろかったんだよね。それに宮崎あおいでしょ。そりゃ観るでしょ。・・・くらいの気持ちだったのだが、ことごとく宮藤官九郎が繰り出す笑いの穴にハマってしまった。最近の自分の感情とシンクロしてるのかなー。キャラ設定に抜けが
  • ☆ EL JARDIN SECRETO ☆
  • 2010/01/01 8:23 AM