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  • 2014.03.25 Tuesday
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音楽評・UA「Golden green」/〜「POP」への静謐な回帰。〜

UA。最初に彼女の曲を聴いたのはいつだったろうか。


多分、シングルカットされた「情熱」だ。

情熱
情熱
UA,朝本浩史,渡辺慎

確か本屋で流れていた有線で聴いて、呆然としたことがある。
「有線なんか、BGM以下の雑音」と、聞き流していた僕の耳に
難なく飛び込み、わしづかみにした。
それはそれはとんでもない、「ソウル」だった。
当然だがいちいち、有線なんかア-ティスト名などアナウンスすることはなく
「UA」という、十年以上もその動静を否応なく気にさせられる
名前を知るのにしばらく時間を要した。
大学時代の友人にカセットテープ(!)で、借りたのが
彼女のセカンドアルバム「11」だった。

11
11
UA

01.リズム(Album version)
02.大きな木に甘えて
03.落ちた星
04.バラ色
05.ゼリー
06.ヒマワリ
07.雲がちぎれる時
08.情熱(king wadada dub)
09.紅い花
10.水色
11.ランデブー


素晴らしい。96年か。
もう十年以上も、時に折れ、聴いている。
DUB、R&B、ブレイクビーツ。。
多様なクラブミュージックを、薄めることもぜず飲み込み、
その歌声は、いささかもその中に没することなく
完全に調和していた。
沈み込むような感情や、躍動感。
いや、もっと違う複雑な感情を
やや、抽象的だけど衒いのない歌詞で
ストレートに、本当にストレートに聴き手に
気負うことなく表現していた。

ずっとUAに期待していたことはそれだ。
ホンモノの音と、誰にも真似できない歌声。
そして表現力を優しく激しく刺激するコトバ。
豪奢な暗鬱。静かで深い情愛。
だって、ほかにそんなことできる女性シンガーなんて
本当に余り知らなかったから。
(今でそうかもしれない)

彼女は多作だ。
1〜2年に一回はアルバムを出している。
さすがに全てを買っているわけではない。

turbo
turbo
UA

01.プライベート サーファー(puff fishy mix)
02.ロマンス
03.ランドリーより愛を込めて
04.男と女
05.サマーメランコリック
06.ストロベリータイム
07.午後
08.乾く日に
09.リンゴ追分(DISCO STYLE)
10.ため息
11.数え足りない夜の足音(pele dubwise version 2)
12.ノハラソング
13.スカートの砂(RADIO MIX)


1999年リリース。
このアルバムにはとてもいい思い出がある。
地元のレゲエバーで、深夜まで飲んでいた。
客の数のまばらになった頃、
UAの話になり、たまたま仕事帰りに
このCDを持っていたので
そのバーでかけてもらった。

つい数時間前まで赤の他人だった、
カウンターに座る奴が感に堪えないといった表情で
「やっぱ、UAはいいよなあ・・。」と呟いた。
そのときスピーカーからかかっていたのは、「プライベートサーファー」だった。
店中の人間は、グラスを傾けることもなく
口ずさみながら、ボンヤリとした目で聴き入っていた。

 「プライベートサーファー」


しかし、UAに僕が勝手に望んでいたことは、

泥棒
泥棒
UA

01.記憶喪失
02.閃光(ALBUM Ver.)
03.泥棒
04.瞬間
05.世界
06.ブエノスアイレス
07.ドア
08.彼方

から、微妙に離れていった。
どんどん曲尺は長くなり、アブストラクトなテイストになった。
生楽器の占める割合は増え、
ジャズの要素が強くなり実験的になった。
UAの声はどんどん生々しくなった。
そして勿論曲は素晴らしい。
しかし。
どうしても聴きたくなるシチュエーションが
狭くなった。
モノクロの濃淡の中で、狂気を飼いならしてるような
静かで不穏な。。
要するにあまりに、POPではなくなり
とてもじゃなきゃ、朝方なんかに聴ける代物なんかではなかった。
そんなことしてしまえば、どこまでもトバサレてしまう。
少なくても聴き手の日常に安易に馴染むようなモノではなかった。
「難解」。まあ、そういう見方もある。

勿論、いかに「微妙に離れて」いこうが、
UAほどの優れた作品を創造できるアーティストなんて
(多分)ほとんどいないし、
気楽に口ずさめるオンガクだけが優れているわけではない。


この頃だろうか。UAのライブに行ったのは。
確か、渋谷公会堂。
生で初めてみたUAは、透き通るように美しかった。
素晴らしいライブだった。
それは幸いにも、

空の小屋
空の小屋
UA

で、追体験できた。
僕が持っているのはCD盤なのだがDVDも出ているらしい。

 「TORO」



しかし、UAの新譜を買うのは
あいも変わらずリスキーだった。
何故って?
アブストラクトもジャズもいい。
でもやっぱり、僕がUAに求めたものは
「11」から数枚以降までの、
バックの音に捉われない、POPさなのかもしれない。

そして2007年。
6月にリリースされた最新アルバム。
「Golden green」。


Golden green
Golden green
UA

01 黄金の緑
02 Melody La La La
03 Paradise alley / Ginga cafe
04 トュリ
05 ノレンノレン / 灰色した猿の夢
06 Love scene
07 San Andreas Fault
08 Elm
09 Panacea
10 Moor

近作のイメージが「真っ白な夜」であれば、
新作・「Golden green」は、幸福な朝を経た午前中。
大地を抱きしめるような詞の世界。
1曲目の「黄金の緑」からアルバムはゆっくりと力強く立ち上がる。
何の予定もない休日の朝方に聴けば、随分と気分がほぐれるだろう。
まるで、悪しき思い全てをいつの間にか
流し洗うような、一曲。

3曲目。「Paradise alley / Ginga cafe」。
緩やかだ。歌声で癒されるというのは久々だ。
歌詞を聴き込みたい。その贅沢な緩やかさに、耐えて。
何て、強靭で優しいコトバなんだろう。


=================================

 そんなときはここに来て らくだの
 こぶの中で本当は この地球が
 音をたてて回ってる ハナシをしよう

 世界中の時計の針を盗んで
 ここまでの矢印を全部並べよう

 宝物は初めから無かった
 銀河のカフェでヒッチハイクすればいいよ
 四角いパンが焼けたよ
 得意のハーブも忘れずに

 月曜日が嫌だなんて言わないで
 そんなときはここに来て 昨日の
 夢の続き みんなで見ればいいよ

 白い馬と三日月へ座りに行ったら
 蒼くゆらめくこの星に涙が落ちた

 時が過ぎて みんなが居なくなって
 それでもずっと残るのはこんなメロディ

 誰かの戦争ゲームでは
 僕らは絶対遊ばない
 la la la la la

=================================


4曲目の「トュリ」。
トュリとは奄美大島のことばで「トリ」なんだそうだ。
しかし、そんなことはどうでもいい。
全く、意味を意識せず聴いてみればいい。
スキャット(歌詞を伴わない歌唱)として。
UAが歌姫である所以を、強く感じる。
なまじ、「トュリ」が「鳥」を意味することを
知ってしまうことを後悔するぐらいだ。

「ノレンノレン / 灰色した猿の夢」。


=================================

 灰色した猿の悲しい夢を見たよ
 どうして悲しかったのかは
  わからなくなってしまうけど
 灰色した猿はいつも突然逢いに来て
 どこかで拾ったきれいな石をひとつ僕にくれる

=================================

まるで童話。曲調はかなりストレンジなのに。
切なくなる。

6曲目の「Love scene」。
個人的には彼女の過去の名曲、「ミルクティー」を
超えてしまうかも知れない。
抑制されているにも関わらず
あまりにも、イマジネーションを喚起させる歌詞。
訳もなく口ずさみたくなる。
訳もなく涙腺が少し熱くなる。


=================================

 たとえ音楽が止み
 誰もダンスをしなくなっても
 また風が あいのうた 運んでくれる

 そんな日には
 ローズマリーとタイムがとろけるシチューにして
 青い海に天使が舞う
 ハートの花びら 砂浜で輪を描く

 明日は
 この世界が炎に包まれてたとしても
 いまここでこんな風に あなたと笑う

=================================


あとの曲は是非、その耳で聞いて欲しい。
もし、あなたが「POP」ということを
賑やかであること、分かりやすいサビが
あることのみでないと知っているならば、
このアルバムは、スピーカーを越えて、イヤフォンを越えて
きっと何かを残すだろう。



(蛇足)
。。。しかし、このジャケットのアートワークはどうなんだ?









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  • 2014.03.25 Tuesday
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  • 14:48
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コメント
今日カラオケで曇ちぎ歌いました(´▽`)
あとは主にアニソン。
  • bnfm
  • 2007/08/11 11:57 PM
UAさんは「情熱」のカップリングの「電話をするよ」
(作詞・作曲ホフディランのワタナベイビー)
が好きでした。

よいこのお友達のトラウマ番組として有名(?)な
「ドレミノテレビ」での歌声も好きでした。
  • chatte
  • 2007/08/12 4:25 AM
おはようございます。

> bnfm さん

>今日カラオケで曇ちぎ歌いました(´▽`)
>あとは主にアニソン。

「雲がちぎれる時」は僕も好きです。
しかし、あれをカラオケで。。
僕の声量じゃ無理だw
何のアニソン歌ったのか気になりますw


> chatteさん

「電話をするよ」。僕もすごく好きです。

内緒だよ

秘密だよ

少しだけ

僕は狂っているよ


誰よりも

何よりも

総理大臣よりも

キミに頼っているよ

また電話をするよ

キミに電話をするよ

きっと電話をするよ

たのむから僕をなぐさめて

・・・・いい歌詞だよなあ。。

>よいこのお友達のトラウマ番組として有名(?)な
>「ドレミノテレビ」での歌声も好きでした。


歌のおねえさんにUAを起用するした人の
英断もすごいよなあw
「うたううあ」、持ってるけど
未だにちゃんと聴いてません。
  • 3amop@「しかしこのジャケは・・・。」
  • 2007/08/12 10:22 AM
>何のアニソン歌ったのか気になりますw

勇者王誕生!(ガオガイガー(キメ技シャウト
愛の光と影(ベルばら(セリフ付き
残酷な天使のテーゼ(エヴァ(喰ってる…!

などなどアニメは全5曲。
その他特撮1曲もキメポーズ付きでw
ううあおねいさんのお歌も今度覚えよう…。
  • bnfm
  • 2007/08/12 11:34 AM
>bnfmさん
分かるの、エヴァだけだw

>キメポーズ付きでw

そういやこないだ、地元の連れと飲んだとき
ピンクレディの「カルメン77」を泥酔して
勝手な振りつきで熱唱したなあ。
もう31なのになあ。orz

*「カルメン77」はあまりに歌詞が馬鹿馬鹿しいので
恥を捨てて熱唱すれば、年齢層問わずウケます。


 私の名前はカルメンです
 勿論あだ名にきまってます
 バラの花 口にして踊っている
 イメージがあるというのです

 まだまだ無邪気なカルメンです
 純情過ぎるといわれてます
 そのうちに火のような女になり
 ふらふらにさせるつもりです

 これできまりです これしかないのです
 あなたをきっととりこにしてみます
 ラララ カルメン カルメン
 きっときっと好きにさせます

 そうです私はカルメンです
 お色気ありそでなさそうです
 女って突然に変るものよ
 この次はきっとしびれます

 近ごろうわさはカルメンです
 危険な女といわれてます
 世の中もだんだんにわかるひとが
 ふえて来たように思えます


・・・「純情過ぎるといわれて」いながら「危険な女」?
「バラの花 口にして踊っている
 イメージがあるというのです」?

・・・・実在するなら是非会いたいw 
  • 3amop@「カルメン77」
  • 2007/08/12 11:33 PM
この評、いいねー。
> 思考くん

>この評、いいねー。

サンキュウ。youtubeのリンクも是非見てくれ。
UAもいつのまにか十年選手だもんな。。
「Golden green」はいいよー。
ジャケはともかく。
  • 3amop@「十年選手」
  • 2007/08/14 11:06 PM
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