最後にクラブに行ったのは青山の256号沿いの某クラブ。
20代後半の頃。3〜4年前だ。
ハウスでもテクノでもいいから、
爆音で聴いて踊りたいと思ってフラッと入った。
(あと知り合いの昔の店員はまだいるかなあと思って。)
そこは、「十代の遊び場」と化してた。
別に十代の中で僕だけ20代後半でも全然いいんだけど、
「いいオンガクで踊る場所」という雰囲気が全く失せていた。
何するわけでもなく仲間うちで来て、椅子に座ったり
壁にもたれたりしてギャーギャー喋ってるだけ。
(まあ爆音の中だから自然と「ギャーギャー」にはなるw)
フロアで踊ってるの4〜5人だけ。 もう25時なのに・・・・。
もうクラブに行くことそれ自体が目的と化していて、 オンガクは単なるBGM。
仲間うちでコミュニケートするだけだから、すごく「閉じた」感じ。
DJが造る「イイ瞬間」に歓喜して、踊りながら知らない奴とハイタッチしたりとか、
ハグしたりとか、その空気を共有するってことは当然ながら全く期待できない。
自分でも今書いてて夢のようだが、かつてテクノ/ハウス系のイベントでは
そんなおとぎ話が稀にだがあったのだ。
しかし、もはやそれは過去のモノだった。少なくてもその時はそう感じた。
ダンスフロア「周辺のラウンジ」に充満する
「おされな隠れ家的”居酒屋”に来てる俺たちってカコイイ」という、
非常に居心地の悪いムード。
飲んで喋りたければ、「魚民」行けよなあ。。
無愛想な店員に気分を害しながら2500円〜3000円を払って、
エントランスをくぐり、とりあえずドリンク片手にフロアーへ。
「外れ」だったら金をドブに捨てたと諦めて店を出るか、
もしくは始発までその場所で、居心地の悪い思いに耐える。
クラブに行くこととは、随分とリスキーで
効率の悪い遊び方に成り下がったものだ。
確かに個人レベルでもシーン全体としても
「クラブ」は変わったようだ。
DJ Q'HEYによるBlog、
「FLYING COW - DJ Q'HEY blog」により、
遅まきながら最近ショックと寂しさを感じた出来事。
それは少なくても僕が知り得る限りでは
最上のテクノ系レギュラーパーティ「cycle」を
続けてきたクラブ、
MANIAC LOVE の閉店。
開店時期は1993年から2005年。12年間か。
僕が初めて行ったのは少なくても96年以降。
本当に思う。もっと早く行けばよかったと。
閉店に立ち会いたかったと。
特に改装前の、スピーカーとDJブースとフロア以外は
要らないとでもいいたげな、無駄をそぎ落としたあの雰囲気は素晴らしかった。
いまや伝説となっているらしい、
毎週土曜日の「cycle」は、
僕のある一時期において非常に大事な場所だった。
「Maniac Love」は南青山の一角の本当に、
本当に何の変哲もないビルの地下にあった。
看板もないので、確か初めて行った時、
その地下へと通じる階段の真ん前で、僕は間抜けにも
「すいません〜。"Maniac Love”ってどこですか?」と、
その周囲にたむろしていた人に尋ねた覚えがある。
彼は笑って、「そこの階段下りたとこ〜。」と答えてくれた。
(その後、僕も近所のバイト帰りに女の子から場所を尋ねられた。)
それほどまでに「Maniac Love」は、
まるでそれを欲する者から逃れるかのようにひっそりと隠棲していた。
しかしその地下は・・・。
階段を下り、エントランスをくぐれば、爆音が聴こえ、
DJブースを左に見ながら、まっすぐ。(改装前の話)
といってもたかだか数メートルだけど、そうすればフロアがあった。
今まで感じたことのない光景があった。
そして数年間、僕は度々そのフロアで色んなことを感じ、考えながら、
時には完全に忘我して踊ることになった。
スピーカーの暴力的な、皮膚が後ろへすっ飛ばされるような音圧に酔い、
汗だくになってダンスし、両手が舞い、奇声と歓声が上がった。
一人で行こうが友達と行こうが、
(まあクラブ友達が今も昔も余りいないので大体一人だったけど。)
とにかくダンスした。
椅子や階段に座り込んでる奴は、大抵は踊り疲れているだけで、
ミネラルウォーターときっかけさえあれば、
バネのように立ち上がり、
再びフロアへとダンスのために向かったはずのように思える。
体力の限界を見極めるかのように朝が来る。
勿論時計でもみないと、今が踊り続けるべき未明なのか、
それとも、朝なのか知りようもない。
なにしろ「Maniac Love」土曜のパーティ「cycle」は、
そのまま「アフター・アワーズ」と呼ばれるパーティに移行し、
(移行したことを知るには、DJが代わったことに気付くしかない。)
日曜の午前中まで、フロアはダンスを止めないのだ。
さすがにそこまで居合わせたことはない。
始発が動き出す前後に「Maniac Love」を出る。
極度のニコチン臭と汗にまみれたシャツ。
急激に冷える体。
「キーン」とした心地よい耳鳴り。
フラフラと家に辿り着き
倒れ込むように眠る。行けばいつもそんな感じだった。
たとえ諸事情で、昔のように滅多にクラブに行けなくなったとしても
「取りあえず土曜になって気が向けば、”cycle”がある。」という
安心感と信頼感があった。
閉店か。甘かったよ。畜生。
2005年11月の時点でDJ Q'HEYはBlogでこう綴る。
>とにかく、これでひとつ何かが終わりになります。
>新宿Liquid RoomとManiac Love。共に化粧っ気がなく、
>最高の音を追求した最高の大箱と小箱。何が終わるんだろう?
そうだよな。新宿Liquid Roomも2003年末にクローズして
恵比寿へ移った。
移転後のLiquid Roomは行ったことがないので
なんともいえないが、確かに新宿Liquid Roomも「化粧っ気」がなかった。
音響も最高だった。大抵デカいイベントの時は
エレベーターが使えないので、長い階段で延々と待たされた。
まるでじらされているかのように。
コマ劇場そばのビルの上部(確か6Fだか9Fだか)にあった大箱、Liquid Room。
狭いエントランス。フロアーに行けばあふれんばかりの人。人。人。
バースペースに辿り着こうとするよりは、喉の渇きに耐えてでも踊っていた。
「いつか床が抜ける」と噂されるほどの音響と狂騒。
まあ火災か地震があったら確実に大半は助からなかっただろう。
>とにかく、これでひとつ何かが終わりになります。
>新宿Liquid RoomとManiac Love。共に化粧っ気がなく、
>最高の音を追求した最高の大箱と小箱。何が終わるんだろう?
遅まきながら同じく思う。「何が終わったんだろう?」
それとも僕が勝手に「終わってる」と感じてるだけか?
純粋に「いいオンガクで踊る場所」ってお約束が機能してる、
テクノ系のレギュラーのパーティはまだあるのか?
(単発的に海外のTOPDJを呼ぶ「イベント」ではなくて)
願わくば23区内・週末で。
TECHNOであれ、PUNKであれ、ROCKであれ、はたまたHIPHOPであれ、
初期衝動と熱狂が過ぎればもう、ジャンル総体としての
躍動は失せ、一部の個々のアーティストだけが残る。
ただでさえ狭いジャンル内の些細な傾向に飛びついた結果、
山のようなジャンクは発生するが、
あるものはジャンルを超えたオトを出し、
あるものは初期衝動に忠実であろうとし、そのスタイルを頑固までに変えない。
あれだけ無邪気に「テクノ」というシーンの勃興と最盛期の一部に
立ち会ってしまったら、やはり寂しさと反動は残るし、
もうジャンルそのものへの過剰な期待も今後はないだろう。
自宅のレコードを聞きながらそう思った。

Björk - Hyperballad (Towa Tei & Howie B. Mixes)
確かこれが生まれて初めて買ったアナログレコードだ。
偉大なる歌姫、Björkがまだ小難しくなる前。
Towa Teiのハウスバージョンは、今聴いても格好いい。
(余談だがBjörkは何故か女性から評判が悪い。映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のせいか?)
この一枚を買ったのを皮切りに
いつ果てるとも知れぬ(と思っていた)レコ屋サーキットが始まった。
煙草を消費しながら、
ふと思い立って「♪超録 - HDD長時間録音機」というフリーソフトを
使って400枚のアナログからお気に入りの曲だけをmp3に変換しはじめる。
■ 「♪超録 - HDD長時間録音機」とは何をするソフトか
既存の音源(ラジオ/テープ/MD/マイク音源)を
パソコンのライン入力・マイク入力機能を使い
簡単にパソコンの音楽ファイル(WAV/OGG/WMA/MP3)に
保存するためのシンプルかつ超多機能な
長時間HDD録音ソフトです。
(README.TXTより)
単純にアナログでしか持っていない良い曲を
i-podで聴きたいから。理由はそれだけ。
まずは、日本の誇るアブストラクトブレイクビーツの雄。DJKRUSHの作品、
漸-ZEN-
DJ KRUSH,Black Thought,Zap Mama,J.ロジャース,M.ダルネ,Tunde Ayanyemi,PhonosycographDISK,Company Flow,EI-P
に収録されている「Danger Of Love featuring ZAPPM」。
今聴き直しても、全く色あせていないことに驚く。
DJKRUSH Danger Of Love featuring ZAPPM
==================================
It was a rainy day today
Sky stayed grey
A lonely day, lonely day
It will be a lovely night
Sunshine in my heart
Even when we are apart
(The danger of love) Drive me crazy
(The danger of love) Drives me easy
(The danger of love) Makes the power of your day
(The danger of love) Makes the power of your way
The danger of love...
Your love bring the sun in me
I could smell your essence
With or without your presence
It was a lovely day,
A lovely day,
A lovely daaay.
A lovely daaaaaay ehhh
(the danger of love)
Drive crazy (the danger of love)
Drive me insane (the danger of love)
Makes the power (the danger of love)
Power of our day (the danger of love)
Makes the power (the danger of love)
Power of your way (the danger of love)
(the danger of love)
(the danger of love)
Lovely day
Lovely day
It was a rainy day
Sky stayed grey
They don't know nothing about love
Sunshine in me to stay
Good night!, sleep tight! (the danger of love)
See you in my dream tonight (the danger of love)
Good night!, sleep tight! (the danger of love)
See you in my dreeeeeeeam (the danger of love)
The danger of love
The danger of love
The danger of love
The danger of love
The danger of love
The danger of love
The danger of love
The danger of love
Good night!, sleep tight! (the danger of love)
See you in my dream tonight (the danger of love)
Good night!, sleep tight! (the danger of love)
See you in my dream tonight (the danger of love)
See you in my dream tonight (the danger of love)
Good night!, sleep tight! (the danger of love)
See you in my dream tonight (the danger of love)
See you in my dream tonight (the danger of love)
See you in my dream tonight (the danger of love)
Tonight
Tonight see you in my dream
See you in my dream
発売日は2001年?そうだっけか。
てことはもう社会人だったよなあ・・。
じゃあ、もうテクノ/ハウスから大分浮気してた頃だ。
テクノ/ハウス以外にもいい曲はいっぱいあることを知っていたけど
あいも変わらず周りの人間と趣味が合わない頃。(今もだ。)
朝聴いてたFMのパーソナリティが、この曲をオンエアする前に
興奮気味に「これはすごいぞ」と言っていた覚えがある。
沈み込むように深く深く響く歌声と、シンプルでヘヴィなブレイクビーツ。
凍りついた覚えがある。
そして、Mo Waxという前衛的なブレイクビーツレーベルを主催していた
ジェームス・ラヴェルが企画した賛否両論のプロジェクト「UNKLE」。
Psyence Fiction
UNKLE
Intro(Optional)
Guns Blazing (Drums Of Death Part One) (s/Kool G Rap)
Unkle Main Title Theme
Bloodstain (s/Alice Temple)
Unreal
Lonely Soul (s/Richard Ashcroft)
Getting Ahead In The Lucrative Field Of Artist Management
Nursery Rhyme (s/Badly Drawn Boy)
Celestial Annihilation
The Knock (Drums Of Death Part2) (s/Mike D)
Chaos
Rabbit In Your Headlight (s/Thom Yorke)
Guns Blazing (Drums Of Death Part1)
The Knock (Drums Of Death Part2)
ビースティ・ボーイズのマイクD、レディオ・ヘッドのトム・ヨーク、
ザ・ヴァーブのリチャード・アシュクロフト
そして勿論、DJSHADOWというゲスト陣。
買った後、雑誌を読んだがとにかく評判が悪かった。
「金にモノ言わせてゲストばっか豪華にしやがって!」
「ハイプ(「詐欺, 誇大広告」)の極み!」
etcetc・・・・・。
金にモノ言わせてつくったオンガクは、確かに大抵の場合クソ呼ばわりされる。
投資したからには回収しなけりゃいけないし、そのためにはマスにアピールしなきゃ
いけない。必然的に突出or逸脱した音楽性は避けられ
過去の成功例をトレースした成果物と売り方になる。
金にモノ言わせてつくったオンガクをクソ呼ばわりするという
反応はまあ大概の場合、的を得る。
だから、「アンダーグラウンド」が尊ばれ、
時にはそれ自体が目的になる。
でも、このアルバムはクソかなあ?
結構、今でも聴けるぞ。
リリースは1998年か。少なくても1曲だけすごく好きな曲がある。
UNKLE Lonely Soul (s/Richard Ashcroft)
==================================
God knows youre lonely souls
God knows youre lonely souls
God knows youre lonely souls
Yeah, yeah
I believe theres a time and a place
To let your mind drift and get out of this place
believe theres a day and a place
That we will go to, and I know you wanna share.
Theres no secret to living (theres no secret to living)
Just keep on walking
Theres no secret to dying (theres no secret to dying)
Just keep on flying.
Im gonna die in a place that dont know my name
Im gonna die in a space that dont hold my fame.
God knows youre lonely souls
God knows youre lonely souls.
I believe theres a time when the cord of life
Should be cut, my friends (cut the cord, my friend)
I believe theres a time when the cord can be cut
And this vision ends (let this vision end).
But Im gonna die in a place that dont know my name
And Im gonna cry in a space that dont hold my fame.
Walking in the cold
Just keep on flying
Therell be a searchlight
On the mountain high
God knows youre lonely souls
God knows youre lonely souls
God knows youre lonely souls
God knows youre lonely souls
Yeah yeah yeah yeah yeah
Im a lonely soul.
Im gonna die in a place that dont know my name
Im gonna die in a place that dont know my name.
God knows you are lonely souls
Lonely souls
Lonely souls
Lonely souls
Im a lonely soul.
So long, little chapel
? ? ?
Pack up your light
Pack up your light
Say goodbye to the holy water life
Ohhh.....? ? ?
? ? ?
Ahhh.....
そう。とんでもなく沈痛でディープなブレークビーツに
乗ったリチャード・アシュクロフトのヴォーカル。
彼は歌う。
Theres no secret to living (theres no secret to living)
Just keep on walking
Theres no secret to dying (theres no secret to dying)
Just keep on flying.
生に秘密はない
ひたすら歩け
死に秘密はない
ひたすら歩け
何故こうも、昔のディープなオトに魅了されるのだろう。
どれもこれもとっくに時代の彼方になってしまった。
クラブにも行かなくなって、アナログを買わなくなってしまって
随分経つ。
今でも、レコード屋には鳥肌が立つような興奮とか感動を
もたらしてくれる新譜は並んでいるのだろうか?
聴き手として怠惰になったと言われれば、それまでだが。
アナログ→mp3変換作業は、ついつい曲に没頭してしまうので
遅々として進まなかった。
こういう記事すごく面白いです。
cycle行ってみたかったなー。読んでるだけでアガってきますね。
僕もいいパーティ探しているんですが、なかなか。
このブログで知って好きになったアーティスト多いので、
3amopさんのMIXCD欲しいです。いつか下さいw