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  • 2014.03.25 Tuesday
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書評・「パーマネント野ばら」西原理恵子−どんな恋でもないよりましやんー。

久々に身を震わされるように切ないマンガ。


矛盾するようだけど「オトコノコ」ための「大人の童話」、

いけちゃんとぼく
いけちゃんとぼく
西原 理恵子

とほぼ同じ時期に初版の

パーマネント野ばら
パーマネント野ばら
西原 理恵子

を読んだ。
西原 理恵子の(恐らく原風景だと思われる)、
貧乏で悲惨で品もなく身も蓋もなくて
連れ添う男はどうしようもなく駄目オトコ。
真っ当な世間から言わせればごみためのような毎日。
そんな境遇でも
たくましく切なく生きていく「オンナ」の物語。
そして、登場人物はお互いの弱さを
補い合うように、触れ合う。
あるときは厚かましく。あるときは慈愛を持って。

離婚して娘を連れてふるさとの村に出戻ったなおこ。
その母が営む、村にひとつのパーマ屋さん。「パーマネント野ばら」。
彼女を取り巻く友人たちの、それこそ身も蓋もない
オトコとオンナの情愛と、主人公なおこの独白(モノローグ)。
それは身を刺すコトバに溢れている。
 
 「好きやずっとなんて、ないことはとっくのむかしから知っている。
 だからわたしは毎日、小さなウソばかりついている」
 
 「大人になってわかったけど白馬の王子様っておらんもんやったんやねえ」
 
 「あれから何年たったんだろう。私達みんなよいこともわるいこともあって
 でも私達はなんにもかわらなくてなんにもない。でも愛されたい。」
 
 「私達はいつも夜あってあうととりとめのない話ばかりしている
 若い頃は相手の考えている事が全部欲しかったのに
 今の私達は別れ話の前のようなどうでもいいくだらない話だけずっとしている」
 
 「本当だ。あなたにあいたい気持ちはタライに落ちた虫のようだ」
 
 
なおこを取り巻くオンナたちの独白も
どうしようもなく切ない。
 
 「好きな男のいなくなったあとのふとんは砂をまいたみたいだ」
 
 
どの登場人物もオトコはオンナを求め、オンナはオトコを切なく求める。
それは業なのか。ニンゲンと言う動物の本能なのか。
多分、彼女たちは一生世間並みの所謂、「フツウの幸福」とは無縁だ。
でも彼女たちはそれを笑い飛ばす。涙と一緒に。
彼女たちはとても弱くてとても強い。
ただただ愛し愛されたいだけなのに。
たったそれだけなのに。
いや、だからこそ涙と一緒に笑い飛ばさずには
いられないのか。
「オンナ」は強い。弱くて強い。そう思う。

 「でもどうにかやれるみたい。おんなってどうにかなるみたい。」

 
そして最後の数ぺージで明かされる、
なおこの「たよりない恋」の正体。
 
 「すきな人を忘れてしまったのに恋をしている私はもうだいぶん
 狂っているのかもしれない」
 
 
こんな切なくて衝撃的なラストは、初めてだ。
是非読んで欲しい。特に女性に。
しばらく身じろぎもできなかった。
何度も読み返し反芻した。
今のところそのたびに身じろぎもできない。
 
漫画家としての西原理恵子はどこに行こうとしているのだろう。
このまま、情愛と死を見つめた作品を造りつづけるのだろうか。
ラスト数ページで息の詰まるような感動と衝撃を与え続けるのだろうか。

とにかくこの本は帯のキャッチコピーが全てを語っている。
 
「どんな恋でもないよりましやんー。」




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  • 2014.03.25 Tuesday
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