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  • 2014.03.25 Tuesday
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書評・「女の子ものがたり」(西原理恵子)−返らない日々。諦念。

以前取り上げた、「上京ものがたり」の前編にあたる作品。


若き日の西原理恵子が漫画家としてやっていく糸口をつかみかけるまでの
回顧録が「上京ものがたり」ならば、

上京ものがたり
上京ものがたり
西原 理恵子

「女の子ものがたり」は、彼女が生まれ育った高知から
中学、高校時代を経て
上京するまでのエピソードを取り上げた作品だ。

女の子ものがたり
女の子ものがたり
西原 理恵子

相変わらず、日常生活では誰もが見て見ぬ振りをしている、
人生のある時期にしか存在しない甘酸っぱい断片が
ちりばめられている。
以前にも書いたが
貧しさだとか、弱さだとか、妬みだとか、
ずるさだとか、卑しさがどうしようもなく
そこにある事実と、それを省みたときの
胸を締め付ける描写。
相も変わらず秀逸だ。
 
個人的な話で恐縮だが
僕は小学校4年まで、(西原理恵子と同じように)高知に住んでいた。
そして上京してからは下町の公立小学校に通い
中学受験に失敗していやいや地元の区立中学校に通った。
色んな奴がいた。私立の学校のように、画一的な環境ではなかったように思う。
家が貧乏な奴。金持ちの奴。ヤンキー。いじめられっこ。いじめっこ。
そして親に行ってはいけないと教えられた場所や家も沢山あったように
記憶している。
差別やいじめなんかは本当に普通にあった。
傍観者のときもあったし、当事者のときもあった。
あの頃から、僕はずいぶんと歳をとった。
歳をとるにつれて、「色んな奴」はいなくなり
接点も無くなっていった。
当然だが、「色んな奴」は僕の知らないところで
知らない人生を送っているはずだ。
もはや、今会っても会話すら成り立たないような所で
お互いに生きている。
 
「女の子ものがたり」は「色んな奴」と共に過ごした
もう二度と帰ってこない日々を描いている。
 
そして他人の人生に対する諦念が胸を打つ。
そこには奇麗事など微塵もない。
 
 『その日みさちゃんのお父さんが人を殺して
  それをお母さんとお兄ちゃんが手伝ってうめて
  すぐにばれて だから みさちゃんは
  朝おきたらぜんぶなくしていた。
  (中略)
  わたしはみさちゃんが、
  もう絶対にしあわせになれないんじゃないかなって思ってる。
  だって私のまわりの人達でこうゆう事があった人って
  みんな必ずもっとひどい人生をおくるんだもん。』

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