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  • 2014.03.25 Tuesday
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音楽評:フィッシュマンズ

別にメジャーアーティストでもないのに。


6年間にボーカルは、僕らを置いて雲の上に行ってしまったのに。
フィッシュマンズという昔のバンドの
ベスト・アルバム2作品が、4月21日にリリースされる。
http://www.bounce.com/news/daily.php/4895/rss

フィッシュマンズはかつて日本に存在した
とてもユニークなバンドだ。
知っているだろうか?
もうオフィシャルサイトもアクセスできない、
ひどくマイナーなバンドだ。

DUB/レゲエを完全に消化した上で
誰にも真似できない、浮遊感溢れる
メランコリックなサウンド。
フォロワーなんて、居るんだろうか。
居たら、ぜひ教えて欲しい。
フィッシュマンズの新作は、もうリリースされないのだから。

ユニークな点はサウンドだけではない。
その「詞」だ。
むしろそれこそが、僕がいまだに6年前に活動停止してしまった
バンドに、未だに魅惑されている理由だ。

歌詞にあんな平易なコトバしか使ってなかったのに、
孤独であったり、他人が他人のまま(それが最愛の人であっても)
分かり合えないことを、過剰に悲しんだり、憤慨したりせず
そこにあるものこととして素直に受け入れていることを
ピンポイントで表現する歌詞。
ボーカルの佐藤伸治が独特な声で唄う
そんなコトバに、僕は未だにヤラレている。
そこでは、何事も「刹那」であって「永遠」ではないことを
当たり前のこととして唄われている。
そして「刹那」の前に、無力であることも
ごくごく当然のこととして。


『窓からカッと飛び込んだ光で
 頭がカチッと鳴って
 20年前に 見てたような
 何も無い世界が見えた
 
 すぐに終わる幸せさ すぐに終わる喜びさ
 なんでこんなに悲しいんだろう』

(フィッシュマンズ「ORANGE」"Melody"より)

ORANGE
ORANGE


『静かに暮らそうぜ
 バナナ メロン バナナ メロン バナナ メロン
 かじって
 so fruit time
 
 今は何もする時じゃないよ
 今は何もする時じゃないよ
 今は何もする時じゃないよ
 この静けさが力をくれる
 Thank you Thank you for my life
 It's a lovely fruit time 』
(フィッシュマンズのLIVEアルバム「Oh!Mountain」"Thank You"より)

Oh!Mountain
Oh!Mountain


『彼女の暮らしは今 始まってる
 ずっとそばにいて 大きなソファーベッドにヨコになって

 いつもそばにいる幸せは
 ある意味そんなもんで ある意味ひとりぼっちなものなんだよ

 窓から夜のすきまを 見つめる あの娘はさぁ
 とってもとっても 静かな部屋に 今ではひとりで住んでます

 冷たい夜はさぁ 目の前かけぬけて 彼女の孤独を
 そっとノックするんだ トトン トトン トトン
 あー元気ですか

 いくつもの季節がすぎさって年をとっていく
 きのうのことさえも ずっと昔みたいに

 あの娘が笑ってるよ あざけ笑うようにねぇ
 何でもよく覚えてる あの娘が笑ってるよ
 とってもとっても さみしそうに笑ってるよ
 捨て犬みたいにさみしい目をしてる

 孤独な影をしょったままで 夜は更けてゆく
 キラキラ輝く幻みたいな夢を見る
 でもねえ 忘れちゃったよ 忘れちゃったよ』
(フィッシュマンズ「空中キャンプ」"ずっと前"より)

空中キャンプ
空中キャンプ


フィッシュマンズのオトが一番僕に必要だった頃は
彼らが「空中キャンプ」をリリースした
1996年以降から21世紀が来るまでだった。
そのとき愛読していた音楽雑誌「ele-king」
絶賛されていたアルバムだったので
新宿のTowerRecord(まだ移転する前の話だ)で
見つけたときには
それを掴んでレジに真っ直ぐ向かった覚えがある。

その頃の日本の音楽なんて
僕が熱中していた
エレクトロニックミュージック以外は
本当にろくなイメージがなかった。
まるで豪華な廃墟。
ピンサロのBGMとしては最適なのかもしれない。
空間の間をつなぐための梱包材。
華原朋美?浜崎あゆみ?安室奈美恵?シャ乱Q?小室哲也?AVEX?
グレイ?ラルク?B'z?
"夢はきっとかなう"だの"愛"だの"都会のノイズ"だの、
"私が私であるために"(以下略)だの、
ほとんどの"アーティスト"は
マスに受けて売れるための、そんな呪文を唱えていた。
人の弱みとか痛みにつけ込む
新興宗教の類と何が違ったんだろう。
土地転がしレベルの音楽バブルにしか、
見えないマーケティング手法と
その方法論と残骸は、今もきっと変わっていないけど。

そんなシーンの中で、
「孤独」とか「"永遠"の否定」とか「無力」を
さらりと言ってのけるフィッシュマンズは、本当に貴重だった。
今もその楽曲が持つチカラは、鮮やかさを失っていない。
少なくても僕はそう思う。

『ドアの外で思ったんだ あと10年たったら
 なんでもできそうな気がするって
 でもやっぱりそんなのウソさ
 やっぱり何も出来ないよ
 僕はいつまでも何も出来ないだろう

 空に寄りかかって 2人の全てを頼って
 どこまでも飛んで行く
 いつでも僕らをヨロシク頼むよ

 IN THE FLIGHT IN THE FLIGHT
 IN THE FLIGHT IN THE FLIGHT 』
(フィッシュマンズ「宇宙 日本 世田谷」"IN THE FLIGHT"より)


宇宙 日本 世田谷
宇宙 日本 世田谷




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  • 2014.03.25 Tuesday
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  • 18:29
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