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  • 2014.03.25 Tuesday
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書評:中島らも

僕に踏まれた町と僕が踏まれた町
僕に踏まれた町と僕が踏まれた町
中島 らも


中島らもが亡くなった夏に
会社の友人からこんなメールが来なかったら
読むことなんて無かったと思う。

>(中略)中島らもが死んだらしいな。
>あるところで見かけて気に入ったフレーズなので張っとく。

>ただこうして生きてきてみるとわかるのだが、めったにはない、
>何十年に一回くらいしかないかもしれないが「生きていてよかった」
>と思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、
>あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。だから
>「あいつも生きていりゃよかったのに」と思う。

そのフレーズだけを読みたくて、
中島 らもの「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」を買った。
著者の青春時代を綴った、基本的にはユーモラスな内容の
200ページ超の短いエッセイ集を、深夜の新幹線でビールを片手に
そのフレーズに行き当たるのを心待ちにしながら、読み耽った。

『何十年に一回くらいしかないかもしれないが「生きていてよかった」と思う夜』は、僕には今度いつ来るのだろうか。
そのフレーズをついにページに見つけたとき、僕はそんなことを考えていた。

書評・「電車男」−「便所の落書き」の奇跡

クリスマスイブに
サイトの存在が会社の後輩にばれたことは
置いといて。気を取り直して。心の中で中指を立てて。
動揺している自分には目をつむって。
ハルシオンの服用はちょっと置いといて。

さて、
「電車男」読了しました。

電車男
電車男


あらすじ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あるアキバ(秋葉原)系ヲタ(オタク)青年が
ひょんなことから電車の中で、
酔っ払いに絡まれている女性を助けた。
感謝する女性。
彼女がお礼のティーカップをヲタ青年に
送ったことから、恋は始まった。
でも、彼女いない歴=年齢のヲタ青年は、
デートへの誘い方なんて知らない。_| ̄|○

彼はモテない独身男達が集う、2chの板に助けを求めた。
掲示板の住人のアドバイスや叱咤激励を受け
彼は女性をデートへ誘うことに成功する。
かくして顔も名前も知らないネット上の住人を
巻き込んだ、大恋愛が始まった。
いつしか、「電車男」と呼ばれるようになった
ヲタ青年。彼のぎこちない恋の駆け引きを
自分のことのように固唾を呑んで見守るネットの住人たち。
はたして「電車男」は彼女に自分の思いを伝えることができるのか。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

amazonで掲載されている「出版社/著者からの内容紹介」では
『ネット上で話題騒然、各紙誌絶賛。百万人を感動させた
 今世紀最強のラブストーリー、遂に刊行!!』
となっている。
確かに「電車男」と、送ったティーカップのブランド名から
「エルメス」と呼ばれた女性のラブストーリーが
メインだが、
この本が本当に胸を打つのは、
見返りも何もなく「電車男」を見守り、励まし、応援し続けた
掲示板の無数の住人達の書き込みだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

962 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/05/04 23:17

>>電車
氏ね!!おまいは二度氏ね!!
いや、何度も氏ね!!

スポーツや学問と恋愛は全然違うんだぞ。
スポーツや学問に必要なのが努力<才能だとしても
恋愛に必要なのは努力>才能なんだよ。
そんなに簡単に諦められるお前なら長続きはしないだろうが
絶対諦めないつもりでエルメスの事を想って見ろ。
結果なんてのは誰にも分からないがお前自身が後悔しないためにも人生で一番必死になれ。

965 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/05/04 23:17

>>940
明日になれば弱音吐いたことなんか忘れるとは思うが、
お前が好きになったエルメスが、お前の上っ面だけ惚れたと思うか?
エルメスがそんな薄っぺらな見方をする女か?
それは電車男がよく知っているだろ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

401 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/04/17 23:49

皆、結局電車が成功するのと、失敗するの、本音はどっちに期待してる?

漏れは電車に成功して、エルメスと仲良くカポーになってもらいたいよ

403 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/04/17 23:49

>>401
まったく同じだ

404 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/04/17 23:51

>>401
同意。

408 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/04/17 23:52

>>401

成功に1票 ノシ

新たな都市伝説を作ってほすぃ

409 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/04/17 23:52

>>401
性交、いや成功するほうに10000エルメス

410 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/04/17 23:52

俺は電車が幸せになるならなんでもいいよ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

924 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/05/04 23:07

今更何を言うか、この電車が。
もう漏れらは藻前の背中は押さないよ。
今まで十分、色んなスレ住人が押したしな。
最後くらい藻前自身の勇気で逝ってこいや。

とマジレスするもやっぱり心配('A`)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

76 名前:Mr.名無しさん 投稿日:04/05/04 23:43

電車は立ち直ったのか?
これからエルメスとしたい事、行きたい場所、食べたい物を考えろ。
エルメスとの付き合う未来を想像しろ。
自分に負けるな、エルメスと付き合いながら成長して行け。
お前がエルメスのためにひたむきであればエルメスならお前を必ず受け入れてくれるさ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

世間的には、『巨大な便所の落書き』にしか過ぎない
2ch。中傷も犯行予告も差別用語も
およそ悪意と呼ばれる種類の感情は
大抵そろっている匿名の場所。
もちろん、編集された書籍であるこの本は
当然、混じっていたであろう誹謗や中傷の書き込みは
注意深く削除されているだろう。

でも、誰かのためにこれだけ真摯に叱咤激励したりされたり
一喜一憂したことが、僕とかだったら
人生のうちでいったい何回あっただろうか。
大げさに言えば、この本に収録されているのは、
ネットで偶然にも発生した、
人間のかなり美しい感情の集積だ。

この物語は実は、電車男が行った自作自演だという、
いかにも2chらしい説もある。
たとえそうだろうと、顔も名前もお互いに知り得ない
掲示板の無数の住人達による「感情の集積」が
その価値を変えることはないと思う。

ちなみに、わざわざ本を購入するより
もっと電車男のラブストーリーの展開や
住人の書き込みを臨場感たっぷりに味わいたいなら

まとめサイトを閲覧するのがお勧め。
2ch特有のスラング(隠語)が分からなければ
2典PLUSもあるし。

「ノシ」って、サッと挙手をすることを表してる顔文字なんだ。。
始めて知ったよ。


「2005年の抱負は??」

相方に「今年の抱負は?」と尋ねられて
「性転換」と、
愚にもつかない冗談で即答した自分に
愛想が尽きたので、
御節料理で重くなった体を引きずって
恵比寿から歩いて渋谷へ。
本当は
読まなければいけない本、
やりたいこと、
やらなければいけないことが一杯ある。


正月の二日は
どこも店は閉まっている。
セールにはまだ早いようだ。
代官山も、開いているショップはまばら。

渋谷のBOOK1stに赴く。

最速プライバシーマーク取得実務がよ~くわかる本―個人情報対策は、いまからでも大丈夫!
最速プライバシーマーク取得実務がよ~くわかる本―個人情報対策は、いまからでも大丈夫!
打川 和男, ジェイエムシー

1月からまた客先常駐という名の人身売買でプライバシーマーク
の取得支援業務に放り込まれる。
自慢じゃないが、プライバシーマークなんて
「プ」の字も知らない。勘弁してくれ。

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く
希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く
山田 昌弘

正月早々、こんなブルーな本を買わなくてもいいと
自分でも思うけど、
普段、漠然と感じていたことが
タイトルに端的に表現されている気がして
思わず買ってしまう。そのうち書評でも書こうか。

28歳からのリアル
28歳からのリアル
人生戦略会議

正月早々、こんなブルーな本を買わなくてもいいと
自分でも思うけど、かように「28歳」とは
微妙な年頃だ。
少なくとも自分たちの親の世代である
「28歳」と、今の「28歳」の間に横たわる
差異は、こんなタイトルでたやすく将来への不安を
かきたてられる程度には存在する。

28歳からのリアル マネー編
28歳からのリアル マネー編
人生戦略会議

正月早々、こんなブルーな本を買わなくてもいいと
自分でも思うけど(以下略)


このままでは、また気分がダウナーになるので
レコード屋に寄る。

Innervisions (Rmst)
Innervisions (Rmst)
Stevie Wonder

名盤過ぎていまさらコメントもないのだけれど
1973年リリースのこんな殿堂入りレコードを
高校時代に聴いていたあの頃の僕は、
絶対背伸びをしていたに違いない。
意味もわからず、収録曲の『Golden Lady』が好きだった。

========================================
"Golden Lady"

Looking in your eyes
Kind of heaven eyes
Closing both my eyes
Waiting for surprise
To see the heaven in your eyes is not so far
Cause I'm not afraid to try and go it
To know the love and the beauty never known before
I'll leave it up to you to show it

And golden lady, golden lady
I'd like to go there
Golden lady, golden lady
I'd like to go there
Take me right away

Looking at your hands
Hands can understand
Waiting for the chance
Just to hold your hand
A touch of rain and sunshine made the flower grow
Into a lovely smile that's blooming
And it's so clear to me that you're a dream come true
There's no way that I'll be losing

And golden lady, golden lady
I'd like to go there
Golden lady, golden lady
I'd like to go there
Take me right away

A touch of rain and sunshine made the flower grow
Into a lovely smile that's blooming
And it's so clear to me that you're my dream come true
There is no way that I'll be losing

Golden lady, golden lady
I'd like to go there
Golden lady, golden lady
I'd like to go there

========================================

絶対、チェリーボーイだった癖に
こんな曲を聴いて感動していたのだから
お笑いだ。

書評・「絵で学ぶコーチング―すぐ使えるコミュニケーション・スキル50」−無責任な指示伝達のツケへの処方箋

絵で学ぶコーチング―すぐ使えるコミュニケーション・スキル50
絵で学ぶコーチング―すぐ使えるコミュニケーション・スキル50
伊藤 守

そもそも、「"コーチング"って何?」って、レベルの僕にとっては
よい入門書だった。

はてなダイアリーによると、
"コーチング"とは、
「スポーツコーチングや、ビジネスコーチングなどと、
 その分野に特化したコーチングスタイルがあるが、一般的には、
 あるゴールに向かって活動している人(クライアント)を、
 その能力を最大限に引き出すたに支援する技術の事をいう。
 コーチングの技術を身に付けた人および、
 コーチングマインドが宿っている人をコーチという。
 コーチングの主なスキルに、傾聴、質問、観察などがある。」

ビジネスコーチングに限って、
乏しい知識でもう少し補足すると、
従来型の指示命令型の意思の一方向的な伝達ではなく
部下や同僚に対して
「相手の話を聴く」、
「相手の"気付き"を誘発するための適切な質問」、
「質問と対話によって明確になった目標に対して、
 相手が順調に行動しているかの、適宜観察と誘導」
を、主な手法としたコミュニケーションによる、
自発的行動を促す技術ということになるのかと。

「俺について来い」、「言われた通りにやりゃいいんだ」、
「お前の意見なんか求めてない」的な
高度成長時代から連綿と続いてきた、
団塊の世代的な"徒弟奉公"意思疎通しか
してこなかった癖に、時代が変わったとたん、
「指示待ち人間はいらない」、「自分で考えて行動せよ」、
「自己変革型人材が必要だ」などの
無責任なプレッシャーを
自分の「"徒弟奉公"意思疎通」で育成してきた
若手の人材に、
臆面も無く言い放つ企業の現状。
その処方箋としての、近年のコーチングブームだと思う。

その入門書としては、本書は適しているはず。
セミナー資料のように簡潔に要点だけまとめられた
内容。日常業務シーンでの具体的な活用可能な質問手法。
なにより分量が100ページ強で絵が多いので、
サラっと読み通すことができる。

コーチングにおけるコミュニケーションで重要なキーワード、
クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョン
知って、ひとつだけ分かったこと。
僕が苦手な上司は
YES/NOもしくは、
数語の単語で返答可能なクローズド・クエスチョンでしか
指示伝達しないくせに、
自分が気に食わないアウトプットを出すと
難癖つけて、
部下を「自分がやれば?」的なものを
最終的に作らせる作業員としか、見ていない人。
僕が好きな上司は
目標やコンセプトを示した上で
アウトプットに対して
5W1Hを軸に、相手に自由に考えさせる
オープン・クエスチョンで
ブラッシュアップを図っていく人。

まったくうちの会社はクローズド
クエスチョン振り回して、俺様節をがなる奴ばっか、目立って(ry

書評・「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」−その産地でウイスキーを飲むことへの憧れ

もし僕らのことばがウィスキーであったなら
もし僕らのことばがウィスキーであったなら
村上 春樹


「もし、僕らのことばがウイスキーであったなら、
 もちろんこれほど苦労することもなかったはずだ。
 僕は黙ってグラスを差し出し、
 あなたはそれを受け取って静かに喉に送り 込む、
 それだけですんだはずだ。
 とてもシンプルで、とても親密で、とても正確だ。
 しかし残念ながら、僕らはことばがことばであり、
 ことばでしかない世界に住んでいる。
 僕らはすべてのものごとを何か別の素面のものに置き換えて語り、
 その限定性の中で生きていくしかない。
 でも例外的に、ほんのわずかな幸福な瞬間に、
 僕らのことばはほんとうにウイスキーになることがある。
 そして僕らは−少なくても僕はということだけど−
 いつもそのような瞬間を夢見て生きているのだ。
 もし僕らのことばがウイスキーであったなら、と。」


「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」"前書きのようなものとして"より(村上春樹)
 
ウイスキーを誰かと飲む理由として、こんな的確な表現は稀だと思う。
「ウイスキーは人を沈思させ、
 コニャックは人を華やかにさせ、
 ワインは人をおしゃべりにさせる」というフランスの諺(ことわざ)があるが、
ウイスキーは一人で飲むときには確かに、沈思を、
そして、(少なくとも)会話の間が気にならない相手と飲むときには
自分と相手ののことばがお互いに、まるでウイスキーのように
香りをたてて染み渡る、そんな瞬間を期待して飲むはずだ。(僕はそうだ)

「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」は、
とてもシンプルな本だ。
村上夫人の撮影した旅情をかきたてる写真を、随所にちりばめた
120ページ余りの掌編。
ウイスキーそのものというよりは、
ウイスキーを作る者、ウイスキーに不可欠な
スコットランドやアイルランドの風景、
そしてウイスキーをその土地で飲む者に
対して、控えめな語り口で愛情を表現している本だ。
もし、読み手がいささかなりとも
アイラ島やアイリッシュのウイスキーに
愛情をもっているのなら
強烈な嫉妬を筆者に感じるだろう。
「一度でいいから、僕も(私も)それが作られた土地で
ウイスキーを静かに喉に送り込みたい」と。

書評・「ベッドサイド」−たかだか「セックス」に横たわる男と女の差異

相も変わらず服用している、
薬の副作用か、はたまた鬱な深層心理のなせる業か、
「ガンダム」は大地に立つのだけど
「ビームライフル」が発射不可能な今の僕
読むには適当なのか、不適当なのか。


なにはともあれ、林あまりの「ベッドサイド」を読み返してみる。

ベッドサイド
それは男性から決して伺うことができない
「営み」への女性からみた視点。
不穏なほど挑戦的で、淫靡なウタの数々。


『いさかいの解決としてのセックスに
 からだがついていかない不幸』

『まず性器に手を伸ばされて
 悲しみがひときわ濃くなる秋の夕暮れ』

『心弱いときの交わり
 いつもより会話に支えられて果てる』
 
『満たされたからだは重たい
 プールから上がる水着の吸った水ほど』
 
『立て膝をゆっくり割ってくちづけるあなたを
 いつか生んだ気がする』
 
『ー目を閉じている時に見える色が美しくなければ
 抱かれてはいられないー』
 
『揉みしだく指より撫でさする指
 どうしても疲れた日に欲しいもの』
 
『喫煙の習慣はなく
 唇でくわえるということの非日常』

『右足をしずかにひらかせ首にかけ
 ピアニストの指芯に届きぬ』
 
『熟睡のひとの隣にすべりこむ
 わたしにも眠りを分けてください』
 
男が垣間見る「セックス」と
女性が垣間見る「セックス」は、
こんな巨大な距離があるなんてことを
短歌(僕には「短歌」の定義がよく分からない)で
語らしめる作品はほかにあるのだろうか。
すごく気になる。
たかだか、セックスひとつ取ってみても
こんなにも男と女の間には理解し得ない
世界がある。
それは、きっと悲しいことだ。

書評・「これだけは知っておきたい個人情報保護」−出るべくして出た簡易版ハンドブック

これだけは知っておきたい個人情報保護
これだけは知っておきたい個人情報保護
岡村 久道, 鈴木 正朝


過去6ヶ月間、継続して5000件以上の個人データを
持っていれば、適用される個人情報保護法


その辺のレンタルビデオ屋とか
新聞集配所とか、思いっきり適用範囲に
引っ掛かりそうな割には、
4月から本格施行なのに実生活レベルでの変化が
いまいち感じられない今日この頃。
対象は「企業」だけじゃないのにね。

結論から言うとこの本はたった75ページなのに
要点を分かりやすく押さえている。
欲を言えばもっと、
「思いっきり適用範囲に引っ掛かりそうな割には
何もやっていない事業者」を啓発する具体例が
盛り沢山の方が良いのかもしれないけど。

その事業者固有のシチュエーション&手順を
従業員に周知する手段が他にあるのなら
個人情報保護法に関する
一般知識の習得のためのみには
この本を一括購入して、
配布した方が効率的かも。
定価は500円+税だし、
自前で作るよりは
よっぽどコストを抑えることができる可能性大。
他のサービス使うよりは安く済むし。
著者・岡村 久道氏
この世界(サイバー法)では信頼と実績を
持っている方だし。

むしろ、この手の簡易版ハンドブックの1刷が
個人情報保護法の本格施行まで
3ヶ月切っている時点でやばいよなあ。
しかも、日経新聞2月12日朝刊1面に
「個人情報漏えい、社員も罰則対象−自民、保護法改正を検討」

とか出てるし。
法律をいくら改正したって、
遵守する側がキャッチアップできなきゃ
意味ないのに。
ルールだけ決めても
認識して行動に移せなければ
意味がない。

それはともかくプライバシーマークの要求事項と、個人情報保護法の
要求事項の差異を分かりやすく対比した資料って
どなたかご存知ありません?

書評・「なんとなくな日々」−@美容院

予約してしまったものは仕方が無い。億劫なのを堪えて近所の美容院に行く。


いつも担当してくれていた、柴咲コウ似の同じ歳のスタイリストは
先月末で結婚退職してしまったらしい。

新しい担当の女性は心なしか緊張しているようだった。
見慣れない顔なので、多分辞めたスタイリストの替わりに
雇われた娘なんだろう。

僕のいつもの注文、−襟足を短く、できるだけボリュームを減らして、
後ろへ流れるようにパーマをかけて−を伝えて
僕は川上弘美の「なんとなくな日々」を開いた。

なんとなくな日々
なんとなくな日々


あとがきで川上弘美は、
 
『でも、エッセイって、ほ、ほんとのことを、身辺のことを、
 機知にあふれたことを、か、書かなくてはいけないんでしょう。
 そんなものは、か、書けっこないじゃありませんか
 (わたしは緊張すると、舌がもつれます)。』
 
と、謙遜しているけど僕にとっては読後感のよいものだった。
実在するORしないを問わず、通り過ぎる事象に対して
なんと、しなやかで長閑な接し方をする人なんだろう、そう感じた。
 
「幽霊だの怪異だのの話をする質ではない」友人が、
河童に遭遇したときの話を聞いて、川上弘美はこんなことを
書く。
 
『酒の席のこととて、そのうちに話題はあちこちに飛び、河童の話はそれでおしまいになった。
 ほろ酔いで家に帰る道すがら、私は河童のことを思った。
 姿を人間などに見られてはならないはずなのに、さては間違えてすれ違ってしまったんだろうか。
 さぞ驚いたことだろう。ぼちゃんと飛び込んだ瞬間に、水を飲んでしまったかもしれない。
 あわてて流されたかもしれない。幾日も、落ち着かない日を過ごしたことだろう。
 春で、浮かれ出てきたんだろうに。かわいそうな河童。
 いつの間にか、河童がいるものと決めていた。』
 (「春が来る」より)
 
なんて素敵な、゛なんとなくな゛日常を過ごす術を
知っている人なのだろう。
彼女を取り巻く彼女にしか体感しえない、ほんわかとした日々が
綴られた全185ページ。
この本を読み終えた週末は、いつもよりも少し心が和んだ気がする。
 
カットが終わった。
新しい担当のスタイリストは
僕の髪の毛をドライヤーではらい終えた後、
小さい声で「よし」と呟いた。
彼女が「よし」というのなら
出来上がった僕の髪型はきっといいものなのだろう。
僕は料金を払いその店を出た。
あとはビールを買うだけだ。

書評・「上京ものがたり」−ワンアンドオンリーのペーソス

やっぱり、それは才能だ。


世の中には当意即妙の毒舌を吐けて

できるかなV3
できるかなV3

時にはひとのいちばん柔らかい部分を
刺激することができる漫画家もいるんだ。

西原理恵子を読むたびにそう思う。

上京ものがたり
上京ものがたり
西原 理恵子

帯のキャッチは
「・・・・・・東京で一人暮らしをしているすべての女の子に読んでもらいたい・・・・・・」。

なるほどそうかもしれない。

「何でもないただ者」の頃、
美大入学のために上京した
若き日の西原理恵子が
漫画家としてやっていく糸口をつかみかけるまでの
回顧録マンガ。
一言で言ってしまえば。

いつもの(西原理恵子の作品)ことだけど
貧しさだとか、弱さだとか、妬みだとか、
ずるさだとか、卑しさが
当たり前にそこにある「しんどい」日々。

お金のために歌舞伎町のミニスカパブで働いたり
餌にかぶりつく捨て猫に
「生きるってなさけねえなあ」と思う
口の中が酸っぱくなるような日々。

『私が本当に欲しいのはこの本なのになんで新しい服着てるんだろう。
 私が本当に欲しいのはこの本なのになんでうす汚い部屋で何もしない男と
 くらしているんだろう。』
 
西原理恵子による西原理恵子にしか出せないペーソス。

他作品の彼女のペーソスは
きっと何処かの誰かを少しだけ傷付けているのかもしれないけど
「上京ものがたり」に存在するそれは
20代前後を幸か不幸か、都会で過ごした人間には
きっと通底するものだと思う。

『つかれてるひと。かなしいひと。くやしいひと。
 そしてそれをぜんぶずっとがまんしているひと。
 なんかねえ ちょっとねえ みてわらってもらえたら
 ちょっとだけ ちょっとわらってもらえたら
 今そんな仕事をやれてうれしいなあ私。』

西原理恵子はそれができる漫画家だと思う。

書評・「毎日かあさん2 お入学編」−「子育て」に潜む喜怒哀楽

眠れないので書評。


今や、「文化庁メディア芸術祭」受賞だ
あの西原理恵子が。

「私はこのお寺で人の一番いけないのは
 グリード(ねたみ)と教わりました。
 でも私は現世でグリードを絵にかいて生活してます」
(「鳥頭紀行・・・くりくり編・・・」より)

文化庁メディア芸術祭受賞の第二作
「毎日かあさん2 お入学編」が出版た。

毎日かあさん2 お入学編
毎日かあさん2 お入学編
西原 理恵子
 
タイトルのように、別れた夫との間にもうけた
一男一女の子育て日記をマンガにした作品の第二作。
毎週、生活家庭欄に掲載する毎日新聞の懐は大きい。
僕が担当なら、二週に一度は胃潰瘍で入院だろう。
エスタブリッシュなメディアであることを
世間に課せられる゛新聞゛に
西原理恵子を毎週載せるのは、水森亜土
社説を依頼するぐらいリスキーだと思う。

彼女(西原 理恵子)が営む家庭は
明らかに「エスタブリッシュ」ではない。
僕らが安心して草を食む柵の中。
その「柵」の向こう側から、心を打つナニかを彼女は
放つことができる。
「柵」の向こう側でしか、発生し得ない「ナニか」でありながら、
幸か不幸か「柵」の中の僕らにも
届く笑いと悲しみ。

(別れたアルコール中毒の夫と歩きながら)
「あんたがさあ次に酒を飲むのはさあ
 娘の結婚式にしなよ
 それで死んだらもう誰も悪くゆわないよ
 立派な人生だよ」
 
サイバラリエコが「西原理恵子」として
避けることができない、
漫画家として、日々の暮らしを「ネタ」として
捉えてしまう業は、子育てという状況でも変わらない。
8割の爆笑と2割のペーソス。

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